「新NISA、ほったらかしで本当にいいのだろうか」——そう思って検索すると、「放置はNG」「年に一度は見直しを」という記事が並びます。読むほど不安になった方も多いはずです。
先に、この記事で言う「ほったらかし」を決めておきます。狼狽売り(値下がりに慌てて売ってしまうこと)をせず、必要以上にいじらないことであって、「一度も口座を見ないこと」ではありません。ここを取り違えると、話がまったく別のものになります。
書いているのは、投資歴6年・エンジニア歴10年以上の30代会社員です。いま積み立てているのは、S&P500(アメリカの代表的な株価指数)に連動するインデックス投資信託(指数に合わせて機械的に運用する、手数料の低い投資信託)を1本。この投資信託の積立は2022年7月からなので、4年目です。
正直に書くと、私は値動きが気になって、毎日つい口座を見てしまいます。それでも、この投資信託については、積立の設定以外を触ったことがありません。そして投資を始めて6年、値下がりで慌てて売ったことは一度もありません。
その結果どうなったかを、実際の運用画面と一緒に、数字も隠さずに書きます。読み終わるころには、「自分はほったらかしでいいのか、それとも向いていないのか」を判断できるはずです。
- 慌てて売らずに続けた結果(実際の運用画面つき・元本と評価額の両方)
- 「ほったらかし」の中身——何をして、何をしなかったか
- 下がった局面で、売りたくならなかった理由
- 年1回のチェックをしていない理由と、それでも専門家に相談したほうがいいと思う話
- ほったらかしが向く人・向かない人の線引き
結論:慌てて売らずに来られた。ただし「一切見ない」ではない
結論から書きます。投資を始めて6年、値下がりで慌てて売ったことは一度もありません。いま積み立てているS&P500の投資信託は4年目ですが、そのあいだに触ったのは積立の設定だけです。元本405万円に対して、評価額は602万円(2026年8月4日時点)。いまのところ、困ったことは起きていません。
ただし「何もしなかった」わけではありません。毎日のように口座は見ています。値動きが上下するのが単純に楽しくて、つい開いてしまう。それでも、見たあとに何かを操作したことは一度もない——これが私の6年です。
だから、この記事の「ほったらかし」は「見ない」ではなく「触らない」です。慌てて売らない、必要以上にいじらない。逆に言えば、中身を理解しないまま放り出すことは、ほったらかしとは呼べないと思っています。
私の「ほったらかし」の中身
何を、いくら積み立てているか
買っているのは、S&P500に連動するインデックス投資信託を1本だけです。私が積み立てているのはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ですが、これがおすすめという話ではなく、私の場合はこれだった、という事実として書いています。
口座は楽天証券です。SBI証券も併用していて、NISAは楽天・特定口座(証券会社が損益を計算してくれる口座)はSBI、と役割を分けています。その使い分けは別記事に詳しく書きました。

積立を始めたのは2022年7月、月5万円からです。最初から10万円だったわけではありません。月10万円に増やしたのは、新NISAが始まったタイミングでした。

※画面のラベルは「評価額合計」ですが、私が保有している投資信託はこの1本だけなので、そのままこの商品の数字になります。なお同じ画面の「評価損益」は+1,970,179円、「トータルリターン」は+1,970,180円と1円だけ違います。本文では後者を使っています。
数字を正直に並べます。2026年8月4日時点で、評価額は6,020,180円。そこから逆算すると、4年かけて積み上げた元本は4,050,000円、現時点の含み益(まだ売っていない状態での利益)は+1,970,180円です。楽天証券で積み立てているS&P500の投資信託1本だけの数字で、ほかの口座や個別株は含んでいません。
大事なことなので先に書いておきます。これは2026年8月4日という一点の記録であって、将来を約束するものではありません。評価額は毎日動きますし、この記事を読んでいただいている今このときにも下がっているかもしれない。
もう1つ、正直に書いておきます。この増えた分のうち、どれだけが株価の上昇で、どれだけが円安によるものなのか、私には分けられません。積み立てているのは米国の株価指数に連動する投資信託なので、為替の動きがそのまま円建ての金額に乗ってきます。証券会社の画面に出るのは、円に直したあとの数字だけです。
だからこの602万円は、「S&P500がその分だけ上がった」という話ではありません。為替がどちらに動くかで、同じ商品でも見える金額は変わります。そこは分けて読んでください。
それに、私は増えた197万円のほうが主役だとは思っていません。4年かけて405万円を実際に入れ続けた、という地味な部分のほうが、再現できる話だと思っています。増えた額は市場と為替が決めたことで、私が決められたのは入れ続けたかどうかだけでした。
実際、どれくらい「ほったらかし」なのか
ここが、この記事でいちばん正直に書きたいところです。
私は毎日、口座を見ています。値動きが上下するのが楽しいからで、我慢しているわけではありません。ほったらかし投資の記事にはよく「見ないことが大事」と書いてありますが、私はまったく見ています。
それでも、この4年で操作したのは積立の設定だけです。
- 保有している投資信託を売ったことがない
- 別の商品に乗り換えたことがない
- リバランス(資産の配分を組み直すこと)をしたことがない
見ることと触ることは、別の行為です。私の場合はたまたま「見ても手が動かない」タイプだった、というだけかもしれません。ただ、「見ないようにする」を頑張るより、「見ても触らない」で済む形を作るほうが現実的ではないか、とは思っています。
下がった局面でも、売りたいとは思わなかった
この4年のあいだに、S&P500が下がった局面は何度かありました。そのとき何を感じたかというと、「売りたい」とも「買い増したい」とも思いませんでした。
強がっているわけではなく、理由があります。分散が効いていて、長期で運用することが前提の商品は、そもそも短期で売り買いするものではない——そう考えているからです。だから下がっても、自分がやることは変わりません。何もしないことが、判断の結果でした。
もし短期で売り買いをするなら、「何のために買って、何のために売るのか」を、買う前に整理しておくことをおすすめします。それが決まっていれば、極端に下がった場面でも、逆に大きく上がった場面でも、機械的に動けます。
整理せずに値動きだけを見ていると、いちばん判断が鈍るときに、いちばん大きな判断をすることになります。私が下落局面で動かずに済んだのは、意志が強いからではなく、動く理由をあらかじめ持っていなかったからだと思っています。
「新NISA」と「6年」の関係を、正直に書きます
ここは誤解されたくないので、先に年表で整理しておきます。
| 2020年ごろ | 投資を始める。一般NISAで、まず個別株から |
| 2022年7月 | S&P500の投資信託を、月5万円で積立開始 |
| 2024年 | 新NISAへ移行。月10万円に増額し、いまに至る |
つまり、私が言える「6年」は、投資を始めてから慌てて売ったことが一度もない期間のことです。新NISA(2024年に始まった新しい非課税制度)はまだ6年経っていませんし、S&P500の投資信託を積み立てているのも4年。「新NISAを6年ほったらかした」わけではありません。
積立を始めたのは、一般NISA(新NISAの前にあった非課税制度のうち、年間120万円まで投資できたほうの枠)の時代です。この枠では個別株と投資信託を半分ずつくらいで持っていたので、投資信託は月5万円ずつ。新NISAに移るときにそれを投資信託へ寄せて、月10万円に増やしました。制度が変わったことが、そのまま私の積立の形を変えています。
ひとつ補足しておくと、新NISAへの移行そのものは、手続きなしで自動でした。私が「自分で設定した」と記憶していたのは、移行のためではなく積立額を月5万円から月10万円に増やしたからです。金額を変えるほうには、設定の操作が要りました。
つまり制度の移行は勝手に済んでいて、私が動いたのは金額を変えたときだけ。ここも「ほったらかし」の実態をよく表していると思います。ただし扱いは金融機関によって違うこともあるので、ご自身の状況は必ず証券会社の案内でご確認ください。
正直に言う、ほったらかしのデメリット
年1回のチェックも、リバランスもしていません
一般に、ほったらかし投資では「年に一度は資産配分を見直しましょう」と言われます。私はやっていません。
理由は、この商品の中身の組み替えを、私よりずっと有能な人たちが運用会社でやってくれているからです。S&P500という指数に合わせて銘柄が入れ替わる仕組みなので、この投資信託の中身について、私が自分で組み直す余地がありません。
ただし、これは「この投資信託の中身」についての話です。私は個別株も持っていますし、資産全体をどう配分するかという話は、まったく別の問題として残っています。そちらについては、次に書きます。
ほったらかしにも、期限が来るものはあります
ここが、ほったらかしの正直な面倒くささです。一般NISAで買った分には、非課税で持てる期間に期限があります。そして私は、それをすでに一度経験しました。
2024年末、一般NISAで買っていた個別株の期限が来たので、いったん売って買い戻しました。放っておくと課税口座(利益に税金がかかる通常の口座)へ移り、その先の値上がり分には税金がかかります。それなら非課税の枠に置き直したほうがいい、と考えた結果です。
つまり「一度買ったら永遠に何もしなくていい」わけではありません。ほったらかしていたつもりでも、制度側の都合で、調べて、決めて、手を動かす場面がやってきます。しかもこれは、値動きを見て慌てて売るのとはまったく別の作業です。相場ではなく、カレンダーのほうから来ます。
いま積み立てている投資信託にも、同じように期限の来る分があります。ただしどの年に買った分がいつ期限を迎えるかは人によって違いますし、制度の扱いも変わることがあります。ご自身の状況は、必ず証券会社や公式の案内でご確認ください。
「見ても触らない」ができる人ばかりではない
私は毎日見ても手が動きませんでした。ただ、それが誰にでも当てはまるとは思っていません。
見るたびに何かしたくなる方にとって、私のやり方は再現しにくいはずです。その場合は「見ても触らない」を目指すより、そもそも見る回数を減らすほうが機能するかもしれません。ここは性格の問題なので、他人のやり方をそのまま真似ても噛み合わないところだと思います。
ここが、この記事の限界です
いちばん大事な限界を、先に書いておきます。私が積み立ててきた4年間は、結果として増える方向で終わった期間でした。同じことを別の4年でやって、同じ結果になる保証はどこにもありません。
だから、この記事の602万円という数字は「ほったらかしたから増えた」の証明ではありません。「ほったらかした人が1人いて、その人の4年はこうなった」という記録にすぎない。減っていた4年になっていた可能性も、同じだけあったはずです。
私が続けているのも、増えると確信しているからではありません。自分が中身を説明できる商品を、慌てて売らずに持っている——決められるのはそこまでで、結果のほうは市場と為替が決めます。この記事で再現できるとしたら、増えた金額ではなく、その持ち方だけだと思っています。
もうひとつ、資産全体のバランスについても自分なりの考えは持っていますが、この記事では書きません。私が専門家ではないからです。
正直に言うと、そこは私より専門的な方に、お金を払って相談したほうがいいと思っています。この記事を参考にしていただくのは嬉しいのですが、資産の配分はあなた自身の人生を左右する話です。無料の情報を集めて回るより、有料できちんと相談したほうが、長い目で見てプラスになる——これが私の考えです。
ほったらかしが向く人・向かない人
6年やってきた立場から、正直に線を引きます。
向いていると思う人
- 自分が持っている商品の中身を、人に説明できる人
- 長期で続ける前提で、短期の値動きで方針を変えない人
- 値動きを見ても、手が動かない人
向かないと思う人
- 短い期間で大きく増やしたい人
- 中身を理解しないまま持っている人(ここがいちばん危ないと思います)
- 値動きを見ると、何か操作したくなる人
「年1回見直す運用」と、何が違うのか
この記事を読んでいる方が迷っているのは、たぶん「ほったらかすか、それとも年1回は見直すか」だと思います。そこを正面から比べます。
違いは、手間でも知識でもなく、見直す動機があるかどうかだと思っています。
見直しというのは、本来は複数の資産の比率がずれたときに、それを戻す作業です。ところが私の場合、投資信託の中身は運用会社が組み替えてくれる。個別株はそもそも売る前提で持っていない。だから「比率を戻す」という発想が、そもそも出てきません。やらないのではなく、やる場面が来ていない、という感覚に近いです。
逆に言えば、複数の資産を組み合わせていて、その比率に意味を持たせている人は、見直したほうがいいということになります。私のやり方は「見直さなくても成立する持ち方をしている」というだけで、見直しが不要だと主張しているわけではありません。
そして、これは何かを捨てている選択でもあります。年1回見直している人は、資産の比率が偏ったときに、そこで手を打てています。私は打っていません。投資信託が増えても個別株が増えても、私は何もしないままです。「見直す場面が来ていない」のではなく、「見直す場面を作っていない」——正直に書けば、そういうことだと思います。
なぜ個別株ではなく、投資信託のほうを増やしたのか
ここは「過去の自分」との比較で書きます。
私は先に個別株を一般NISAで買い、あとから投資信託を一般NISAで買いました。結果的に、年120万円の枠を半分ずつくらいで分け合っていた時期があります。
その順番になったのには理由があります。正直に言うと、甘い夢を見て個別株に手を出して、30万円ほどのマイナスを出したのです。そのタイミングで、投資信託を候補に入れました。いまとなっては、良い機会だったと思っています。
誤解のないように書くと、個別株をやめたわけではありません。いまも保有していますし、個別株で大きな成果を出される方もいると思います。
ただ、私のような凡人が「お金を増やす」ことを目的にするなら、投資信託のほうがリスクが分散されて、ある程度のリターンも見込める。そのほうが合理的だと判断した、というだけの話です。ここは優劣ではなく、目的と自分の能力の組み合わせで決まることだと思っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 本当に何もしなくていいんですか?
「慌てて売らない・必要以上にいじらない」という意味では、私は6年間、値動きを見て慌てて売ったことがありませんし、投資信託の積立を始めてからの4年も、設定以外は触っていません。ただし、積立の設定と、自分が何を買っているのかの理解だけは必要だと思います。中身を説明できない商品を放置するのは、ほったらかしではなく、ただの放り出しです。
Q. 暴落したらどうするんですか?
私は売りたいとも買い増したいとも思いませんでした。分散が効いた長期前提の商品を、短期で売買するものではないと考えているからです。
ただ、これは個別株で30万円の損を出して身についた感覚でもあります。理解できないものには手を出さない、という線引きが先にあるので、下がっても動く理由が生まれませんでした。
Q. 毎日チェックしたほうがいいですか?
私は毎日見ていますが、それは楽しいからで、必要だからではありません。相場の情報をどう整理するかについては、別記事にまとめています。

Q. これから始めるには、何からですか?
口座を作って、無理のない額から積み立てを始めるのがいちばん早いと思います。私も月5万円からのスタートでした。使っている証券口座の開き方は、別記事に手順をまとめています。

まとめ|「見ない」ではなく「触らない」だった
- 投資を始めて6年、値下がりで慌てて売ったことはない。S&P500の投資信託の積立は2022年7月からで4年目
- 「ほったらかし」は見ないことではなく、慌てて売らず必要以上にいじらないこと。私は毎日見ている
- 元本405万円に対して、2026年8月4日時点の評価額は602万円。ただし一点の記録にすぎない
- 下がっても動かなかったのは、短期で売買する商品ではないと考えていたから
- ほったらかしにも期限は来る。制度が変われば手を動かす場面がある
- 私はリバランスをしていないが、資産全体の配分は専門家に有料で相談したほうがいい
6年やってみて残ったのは、「ほったらかしは見ないことではなく、触らないことだった」という一行です。毎日見ていた私でも続けられたので、見てしまう自分を責める必要はありません。見たあとに手が動かない形を作れているかどうかが、たぶん本題です。
そして、その形を作るのに必要なのは、特別な知識ではありませんでした。口座を開いて、無理のない額を決めて、あとは中身を自分の言葉で説明できるようにしておく。私が4年前にやったのは、それだけです。まだ口座がない方は、そこから始めてみてください。

私は投資歴6年の会社員で、専門家でも資格を持っているわけでもありません。あくまで一人の個人が6年やってどうだったか、という記録として読んでいただければと思います。書き手のことはプロフィールにまとめています。
※本記事は筆者個人の運用記録であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。筆者は専門家でも資格保持者でもありません。記載の評価額・元本・含み益は2026年8月4日時点の一点の記録であり、将来の成果を保証するものではありません。投資は元本割れの可能性があります。NISA制度の内容は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁および各証券会社の公式情報でご確認のうえ、ご自身の判断と責任で行ってください。


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